犬や猫の健康診断って本当に必要?どんなことをするの?飼い主さんが知っておきたい「健診の意味」と「通院のタイミング」をやさしく解説します。
はじめに:元気なうちに、病院へ行くという選択
「うちの子、元気だから病院には行かなくて大丈夫」と思っていませんか?
実は、犬や猫の“元気”は健康の証拠とは限りません。
動物は本能的に、体の不調を隠す生き物です。
見た目が元気でも、身体の中では少しずつ変化が始まっていることがあります。
健診(健康診断)は、その「小さな変化」を病気になる前に見つけるためのチャンスです。
健診の目的:病気を「見つける」よりも「防ぐ」ために
健康診断というと、「病気を探す検査」と思われがちですが、
本当の目的は 病気を“予防”すること にあります。
- シニア期になる前に、その子の体質や弱点を知っておく
- 早期発見で、将来的な治療の負担や費用を減らす
- 健康な時のデータを「その子の基準値」として残せる
この3つは、どれも後になってからでは手に入らない情報。
「今、元気なうちにこそ」意味があるのが健診なんです。
健診でわかること:血液からわかる“体の声”
動物病院での健診には、いくつかの基本項目があります。
| 検査項目 | 内容 | わかること |
|---|---|---|
| 一般身体検査 | 視診・触診・聴診 | しこり・心音・脱水などの異常 |
| 血液検査 | 赤血球・白血球・肝腎機能など | 貧血・炎症・臓器の早期変化 |
| 尿検査・便検査 | 排泄機能のチェック | 腎臓病・糖尿病・寄生虫など |
| レントゲン/エコー | 内臓や関節の画像確認 | 腫瘍・心臓・臓器の形の異常 |
血液検査はとくに重要です。
なぜなら、内臓の不調は外からは全くわからないから。
肝臓や腎臓の値で病気になりそうな兆候があれば、
「症状が出る前」に生活を見直したり、事前に対処することができます。
年齢ごとのおすすめ健診頻度
| ライフステージ | おすすめ頻度 | ポイント |
|---|---|---|
| 〜6歳(成犬・成猫) | 年1回 | ワクチンと一緒に健診を受けるのが◎ |
| 7歳以上(シニア) | 年2回 | 半年ごとに血液・尿をチェック |
| 慢性疾患あり | 獣医師の指示に従う | 定期的なモニタリングが重要 |
健診は“何かあったとき”ではなく、何もないうちに受けるもの。
病気が見つからなかったという結果こそ、いちばん嬉しいゴールです。
こんな子は特に注意!
- 食欲や飲水量が変わりやすい子
- 肥満ぎみ、またはやせている子
- おしっこやうんちの色・回数が気になる子
- シニア期(7歳以上)の子
- 以前、肝臓・腎臓などで数値異常があった子
- 最近になって、運動機能が気になりだした子
少しでも「気になること」がある時こそ、早めの健診が大切です。
飼い主さんができること:病院を“こわい場所”にしない工夫
動物たちにとって、病院はどうしても緊張する場所。
だからこそ、「行く=イヤなこと」にならない工夫が大事です。
- 診察のあとに好きなおやつをあげる
- キャリーや車に慣らしておく
- 飼い主さん自身がリラックスして声をかける
健診を「特別なこと」ではなく、
“年中行事”のひとつとして習慣化できると理想です。
もちろんトリミングやしつけ教室など、健康診断以外で病院へ行く目的を作るのも良いですね。
まとめ:健診は「長生きのための贈りもの」
犬や猫の1年は、人間の約4〜5年分。
1年に1回の健診でも、人間に換算すると数年に一度の人間ドックです。
今、元気に見えても、その“中身”を確認しておくこと。
それが、飼い主としてできるいちばんの「思いやり」だと思います。
健診は、「不安だから行く」ではなく、「元気でいてほしいから行く」もの。
その一歩が、未来の健康につながります🐾

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