※この記事は、飼い主さんが「必要以上に怖がらず、でも大事なことはしっかり理解できる」ように作成しています。
■ 最初に少しだけ聞いてください
実は、ある研究では
「海外から狂犬病が日本へ入ってくるまでに、平均5万年かかる」
と推定されています。
「えっ?どういうこと?」と思いますよね。
この“5万年”の意味は記事の後半で説明します。
まずは、狂犬病について大切な部分から順に見ていきましょう。
【結論】
狂犬病は“適度に怖がる”くらいがちょうどいい。だから予防が必要です。
- 人にも動物にも感染する
- 発症すると治療法がなく、ほぼ100%死亡
- でも、日本では制度と習慣によって守られている
だからこそ、
「過剰に怖がりすぎず、でも軽く考えすぎない」
このバランスがとても大切です。
■ 狂犬病ってどんな病気?
● 人にも動物にも感染するウイルスです
犬だけでなく、猫、キツネ、アライグマ、コウモリなど、多くの動物に感染します。
人にも移ります(人獣共通感染症)。
● 発症すると、ほぼ100%死亡
現代医療をもってしても有効な治療法がほぼありません。
だから予防こそが、命を守る最も大切な手段です。
● 日本の現状は?
日本では1957年以降、犬・猫・野生動物での狂犬病の発生は確認されていません。
誤解されやすいところなので、少しだけ補足します。
現在、日本国内には狂犬病ウイルスを持つ(キャリアーの)動物は確認されていません。
アメリカなど海外では「コウモリ由来」の感染例がありますが、日本では現時点でその報告はありません。
ただし、
海外からのウイルス持ち込みリスクがゼロになることはありません。
だからこそ、日本は制度とワクチンでしっかり守っています。
■ なぜ日本では狂犬病ワクチンが“義務”なの?
理由はとてもシンプルです。
👉 社会全体で“集団免疫”を維持するため
● ワクチンは「うちの子を守るため」だけではありません
- お友達のわんこ
- 地域の人
- 同じ市内・県内のわんこ
- 日本全体の人やわんこ
これらを守るための仕組みとして、狂犬病ワクチンは義務化されています。
もし感染犬が持ち込まれたとき、
社会全体の免疫率が高いほど、感染の広がりを止められます。
■ 室内飼いでも打つ必要あるの?
あります。
- 災害や事故で思わぬ「脱走」が起きる
- ペットホテルやサロンで証明書が必要
- 感染犬が国内に持ち込まれたとき、全国の犬の免疫率が重要になる
- 「一生室内で完結する生活」の100%の保証は難しい
社会全体で守るためのワクチンなので、室内飼いでも必要です。
■ ワクチンによる副反応と安全性
● よくある軽度の反応
- 元気がない
- 注射した場所が少し腫れる
いずれも数%程度で、多くは翌日に改善します。
● 重い副反応は極めてまれ
アナフィラキシーの発生率は
0.01〜0.1%以下 とされています。
接種後30分ほど様子を見るだけで、多くのケースは十分に対応できます。
■ 高齢犬の場合は?
とても大切なポイントです。
年齢・持病・体調によっては「今年は打たない」という判断が適切な場合もあります。
ただし、
👉 これは“飼い主判断”ではできません。
必ず獣医師が診察した上で「接種猶予」を決めます。
「今年どうしよう…?」と迷ったら、主治医に相談して大丈夫です。
■ 日本に狂犬病が入りにくいのは“偶然じゃない”
ここから、冒頭で触れた“5万年”の話につながります。
● 日本の検疫は世界でもトップレベルの厳しさ
海外から犬を連れてこようとすると、様々な関門が待ち構えています。
具体的には以下の手順をすべてふまないと、日本国内に連れ込むことができません。
- マイクロチップ埋め込み
- 2回の狂犬病ワクチン
- 抗体価検査にて免疫抗体があることの証明
- 上記証明から180日以上の待機
こうした制度によって、海外から犬や猫を介して狂犬病が入る確率は、
非常に低い水準に保たれています。
● 「5万年」という数字の意味
実はこの数字は、厳格な検疫制度を前提にした科学的推計です。
この検疫制度のもとで、実は日本に狂犬病が持ち込まれるまでの平均年数が 約49,444年(90%予測区間:19,170〜94,641年) と推定されています ①。
① Kwan NCL et al., Quantitative risk assessment of the introduction of rabies into Japan through the importation of dogs and cats worldwide, Epidemiol Infect. 2017;145(6):1168-1182. doi:10.1017/S0950268816002995. PubMed
“日本に狂犬病が持ち込まれるまでに平均5万年かかる”
という意味ではなく、
“それほど持ち込みリスクが低い”
というデータを表しています。
■ そして最も伝えたいこと
⭐ 日本の安全は「飼い主さん一人ひとりの行動」で支えられています
検疫制度がすばらしいのは事実ですが、
今の日本の安全は、それだけで成り立っているわけではありません。
- 毎年きちんとワクチンを接種してくれて
- 見えないリスクに備えてくれて
- 室内飼いでも「うちの子のために」と続けてくれている
こうした飼い主さん一人ひとりの積み重ねが、
日本が「狂犬病ゼロの国」であり続けられる理由です。
あなたの行動が、誰かの命を守っています。
■ 罰則について(知識として知っておく程度でOK)
- 未接種 → 20万円以下の罰金
- 未登録 → 20万円以下の罰金
目的は処罰ではなく、
社会全体で感染症を防ぐこと にあります。
■ 最後に:うちの子はどうしたらいい?
判断ポイントは、
- 年齢
- 生活環境
- 持病
- 副反応歴
- 体質
これらによって変わります。
最も大切なのは“主治医と相談しながら、その子にとって最適な選択をする”こと。
■ おわりに
狂犬病は確かに恐ろしい病気です。
でも、正しく知れば「適度な恐れ」で十分です。
そして、
あなたが毎年守ってくれていることが、そして今後も守り続けてくれることが
日本全体のみんなの安心につながっていくことでしょう😊


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