「最近、なんだか水をよく飲む気がする…」
「腎臓が悪いと言われたけど、どういうこと?」
猫の“腎臓病(CKD:慢性腎臓病)”は、シニア期の猫でとても多い病気です。
でも実は、猫には 遺伝的に腎機能が落ちやすい体質 があり、
どれだけ大切に育てていても腎臓が弱くなることは珍しくありません。
だから、まずは「あなたのせいではない」ということを最初にお伝えしたいです。
この記事では、
飼い主さんが正しく安心して向き合えるように
猫の腎臓病について、わかりやすく解説していきます。
🟡 CKDとAKIの違い
今回の記事で扱うのは CKD(慢性腎臓病)。
何日も何週間も何ヶ月もかけてじわじわ悪くなるタイプです。
一方、
- 急に元気がなくなる
- 急激な嘔吐
- 急に腎数値が跳ね上がる
などの 急性腎障害(AKI) は性質が全く別。
この記事では CKDに絞って 解説します。
🟡 そもそも猫の腎臓病とは?
猫の腎臓は、
- 体の老廃物をろ過する
- 水分量を調整する
- 血圧を整える
など“24時間フル稼働”の臓器です。
しかし猫は遺伝的に 腎臓の負担に弱い体質 を持っています。
そのため
高齢になるほど腎臓病になるのはとても自然なこと。
決して飼育ミスではありません。
🟡 腎臓病の症状(気づきやすい&気づきにくい)
▶ 気づきやすいサイン
- 水をよく飲む
- おしっこの量が増える
- 体重が減る
- 食欲低下
▶ 気づきにくいサイン
- 寝ている時間が増える
- 毛づやが落ちる
- なんとなく元気がない
- 便秘がち
多くの場合、症状が目立つ頃には腎臓はかなり頑張っている状態。
だからこそ 早期発見がとても大切 です。
🟡 検査では何を見るの?(表でわかりやすく)
病院では「血液」「尿」「血圧」を組み合わせて腎臓の状態を判断します。
🧪 血液検査(腎機能に関係する主な項目)
| 項目 | どんな意味? | 注意点 |
|---|---|---|
| CRE(クレアチニン) | 腎機能の指標。上がると“ろ過能力の低下”。 | 体格に大きく影響される。筋肉量が少ない子は低く出やすい。 |
| BUN(尿素窒素) | 老廃物の指標。腎臓が悪いと上がる。 | 食事内容や脱水でも簡単に変動する。 |
| SDMA | 腎機能低下を示す追加指標。 | 年齢や品種、他の要因でも変動するため“万能ではない”。 |
| 電解質(Na,K,Cl) | 腎臓の調整機能の指標。病期によって乱れやすい。 | 脱水や他の疾患でも変化する。 |
💧 尿検査(腎臓病の判断に超重要)
| 項目 | どんな意味? | 注意点 |
|---|---|---|
| 尿比重 | 腎臓が“尿を濃くできるか”を見る指標。 | 高齢猫でも高値が出るときがあり“これだけで病気とは判断できない”。 |
| UP/C(尿中タンパク・クレアチニン比) | タンパク尿の“正しい評価”。ステージ分類に重要。 | 尿タンパクのみだと偽陽性が多いためUP/Cが重要。 |
🎯 血圧測定
腎臓病では 高血圧を併発しやすい ため、
血圧はステージ分類でも治療方針でもとても大切。
🟡 検査結果だけで判断できない理由
腎臓病は ひとつの数値だけで断定できる病気ではありません。
例えば…
- CREは筋肉量で揺れる
- BUNは食事で変わる
- SDMAは病気・年齢・採血タイミングでブレる
- 尿比重はタイミングで変わる
- 血圧は緊張しても上がる
だから
複数の検査を組み合わせた総合判断が必須 なのです。
🟡 治療や対処はどんなことをするの?
ここで紹介するものは あくまで一般例 です。
すべての猫に当てはまるわけではないので、
最終的な治療は必ず獣医師の指示のもとで行ってください。
▶ 食事療法
腎臓の負担を減らすための療法食。
▶ 脱水のケア
皮下点滴などを行う場合も。
▶ 血圧の治療
高血圧がある場合は同時に治療。
▶ タンパク尿の対策
UPCが高い場合は、腎臓の進行を抑えるための治療を行うことも。
▶ 合併症の管理
貧血・電解質異常・吐き気など。
🟡 よくある質問(Q&A)
❓ 腎臓病って血液検査だけで確定できるの?
できません。
理由は前述のとおり、数値はさまざまな要因で揺れるから。
“腎臓病である”と確定するには
血液・尿・血圧など複数の情報をまとめて判断 します。
❓ すぐに自宅で変えられることはある?
あります。ただし 獣医師の指示のもとで 実施してください。
- 新鮮な水を複数箇所に置く
- ウェットフードを増やして水分摂取を促す
- 過度な減量・過剰なサプリは避ける
- 急な食事変更は逆効果になるので注意
🟡 まとめ
猫の腎臓病はとても多い病気ですが、
「あなたが悪かったから」なる病気ではありません。
猫にはもともと腎臓が弱い体質があり、
どれだけ大切に育てても腎機能が落ちることはあります。
でも、
- 早めの気づき
- 適切な検査
- 獣医師との協力
- 生活のちょっとした工夫
によって、
猫ちゃんの“穏やかな時間”を長くしてあげることができます。
この記事が、不安な気持ちを少しでも軽くする手助けになりますように。

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